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オーバーアマガウからリンダーホーフ城へ

オーバーアマガウからリンダーホーフ城へ_f0050685_0124341.jpgノイシュヴァンシュタイン城を見た後に再びバスに乗り、1時間ほどでオーバーアマガウの村に着きました。この村はかつてヨーロッパでペストが大流行した時に奇跡的に被害が少なく、それ以来村人たちは神に感謝して、10年に1度キリストの受難劇を上演するようになったそうです(ちなみに次回は2010年だそうです)。


オーバーアマガウからリンダーホーフ城へ_f0050685_0131590.jpgこの村の人たちは本当に信心深いのでしょう。あちこちにイエス様やマリア様の像やフレスコ画がありました。この村は木彫りの制作でも有名なようで、店先のショーウィンドウにはイエス様誕生の場面を模った人形が置かれていました。今日はこの村のユースに泊まることにします。


オーバーアマガウからリンダーホーフ城へ_f0050685_013365.jpg翌17日、朝食を食べてから街中をぶらぶら散歩しました。ここは「フレスコ画の村」としてよく知られていて、宗教的な題材の他にも、おとぎ話しの場面を描いたものもあります。これは赤ずきんちゃん。


オーバーアマガウからリンダーホーフ城へ_f0050685_0135622.jpgこちらはヘンゼルとグレーテルのお話が一面に描かれています。この村に限らず、バイエルンにはフレスコ画を描いたり窓辺を花で飾ったりしている家が多くあります。旅人をあたたかく迎える気持ちが伝わってきますねー。


オーバーアマガウからリンダーホーフ城へ_f0050685_0142336.jpgさてその後バスに20分ほど乗り、やはりルードヴィヒⅡ世が建てたリンダーホーフ城へ向かいます。ルイ14世を崇拝していたⅡ世は、彼にあやかろうとフランス・バロック様式で城を建てさせたそうです。城内の撮影は禁止でしたので、こちらをご覧頂けばお分かりですが、内部の装飾はとにかく金ピカ。目が痛くなります。ここで一人、ルイ14世になったつもりで夢想に耽っていたそうです。


オーバーアマガウからリンダーホーフ城へ_f0050685_0144920.jpg城から少し離れたところに「ヴィーナスの洞窟」がありました。ワーグナーに心酔したⅡ世が、歌劇「タンホイザー」の場面を再現して作らせた洞窟です。池の真ん中に貝の船がありますが、Ⅱ世は一人この船に乗って、日長一日「タンホイザー」の夢想に浸っていたそうです。
肝心の政治は疎かにして、巨額の金をつぎ込んでは夢想にばかり耽る王様じゃあ、周囲の人間はたまったもんじゃないですよね。実際、Ⅱ世は退位させられて、湖で謎の死を遂げるのですが。でもそんな夢見る王様じゃなかったら、ワーグナーの一連の作品も生まれなかったわけですし、なによりこの近辺も魅力ある観光街道にならなかったでしょうから、時代というものはどう転ぶか分からないものですね。

そしてオーバーアマガウの駅から電車に乗り、翌朝ブレーマーハーフェンに戻ってきました。あまりに楽しい旅行だったので頭がぼーっとして、いまだに仕事がはかどりません。ルードヴィヒⅡ世の亡霊が取り憑いたか…?
by primno_abyssalis | 2006-08-26 00:20
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